ピンポイント効果

執筆者:<べとりん>

概要:

私たちは、何らかの「目指す未来」を漠然と持っており、それに向かって今の自分の行動を組み立てる。

その「目指す未来」、つまり目標設定に伴う「生きづらさ」について、いくつか考えの材料を提示する。


ピンポイント効果

目指している未来(目標)が、狭く明確に定義されている(ピンポイントである)ほど、

今の自分のやっていること、自分の行動が、その目標の実現に合致していないように思われる

(=「なんかこれじゃない感」が拭い去れなくなる)現象のこと。

あまりうまくない図だが、参考として掲載した。

目標が漠然としていると、ちょっとくらい今の行動が目標地点からズレていても、「その行動の先に目指す未来がある」と思うことができる。

対して、目標がピンポイント過ぎると、ちょっとのズレだけでも、「この行動には何の意味も無いんじゃないか」と思えてくる。


何も目標に近づくためには、初めから最短の道を発見し、歩まなければいけないわけではない。

少しずつ目標に近づくうちに、現在とのズレもはっきりとわかってくる他、本当に自分がやりたい道も分かってくるものである。


このような理屈から、

「漠然と将来のイメージを描いていた人」の方が、「初めから明確にゴールを見据えていた人」よりも、

目標へ近づく動機が維持しやすくなり、むしろ効果的に目標に辿り着く場合がある。


例:「女の子にモテたい!」という場合

初めから、「真面目で話が合って○○で××な女の子と付き合いたい」と、

自分と合うような相手のタイプに分かっており、そのような厳しい条件が決まっている女の子だけを付き合いたいと思っている人よりも、

「とりあえず女の子にモテたい」という漠然とした思いで、いろいろな人と付き合い、自分の経験を積み重ねている人の方が、

結局のところ、理想の相手と付き合える可能性は高いかもしれない。


別目標効果

目指している目標がかなり遠い地点にある場合、

むしろ目指している目標と関係ない目標によって行動している方が、今の自分のやっていること(行動)に意味を感じやすくなり、

ひいてはやる気が維持しやすくなり、目標に近づきやすくなる現象のこと。

「中間目標を立てる」こととは異なる。


例:「ネット関連の技術者になりたい」と思っている人よりも、

  「パソコンでエロ動画を見たい」と思っている人の方が、むしろが速く身につく。


高校生や大学生が早すぎる段階で将来のことを考えすぎると、この現象が起こりやすくなる。

「就活に役立ちそうなことしかしたくない人」よりも、

「大学生期間中ずっと遊びほうけていた人」の方が、むしろ遊びやサークルの中で、意図せずして就活で役立ちそうなスキルを身に着けていることがある。